代表の成川です。

資本金の払い込みについて最近お問い合わせがあったので書いてみようと思います。

表題の通り、通帳のないネット銀行でも払い込みはできるかという件についてです。

 

資本金の払い込み方

資本金の払い込み方は会社法第34条に規定されています。

払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行(銀行法 (昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項 に規定する銀行をいう。第七百三条第一号において同じ。)、信託会社(信託業法 (平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項 に規定する信託会社をいう。以下同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。

上記が該当する部分ですね。

条文によると銀行法に規定する銀行、信託業法に規定する信託会社であれば払い込みができます。

ネット銀行も銀行法に規定する銀行なので問題はないです。

ちなみに以下の金融機関での払い込みが可能です。

  • 銀行(外国銀行の日本における外国銀行支店を含む。銀行法第47条)
  • 信託会社
  • 商工組合中央金庫
  • 信用事業を行う農業協同組合又は農業協同組合連合会
  • 信用事業を行う漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合又は水産加工業協同組合連合会
  • 信用協同組合又は信用協同組合連合会
  • 信用金庫又は信用金庫連合会
  • 労働金庫又は労働金庫連合会
  • 農林中央金庫

 

ただ、登記申請の時に「払い込みを証する書面」の一部として通帳コピーを
提出していたところから通帳のないネット銀行が資本金の払い込みの銀行として
使えるのかという疑問があがっています。

 

添付書面の規定

資本金の払い込みにネット銀行が使えるかは添付書面上の問題なので
その部分に関する法律はどのようになっているか見てみましょう。

設立時の添付書面に関する規定は商業登記法第47条第2項第5号に書いてあります。

2 設立の登記の申請書には、法令の別段の定めがある場合を除き、次の書面を添付しなければならない。

五 会社法第三十四条第一項の規定よる払い込みがあったことを証する書面

この記述によると法的には通帳のコピーが必要というわけではなく、書面で払い込んだことが証明できればどんな書類でもいいことになります。

通帳のコピーをつけるのは、銀行に払い込みがされたことを証明するのが容易な書類だからという理由ですね。

 

「払い込みを証する」為にはどんな情報が必要か

資本金の払い込みを証明するためには、原則

  • 銀行等の金融機関であること
  • 口座が特定されていること
  • 発起人の口座であること
  • 振込日と金額

が証明されれば適正な払い込みがあったといえるでしょう。

ですので、ネット銀行でも

  • 銀行名
  • 口座名義
  • 口座番号
  • 払い込みがされた日付と金額

が一画面で表示されたものをプリントアウトできれば添付書面としては充分でしょう。

ですのでこうした画面をシステムで備えているネット銀行であれば、問題なく資本金の払い込みの口座
として使うことができますね。

ちなみに通達では次のようになっています。

(平成18年3月31日民商782号通達)
次のア及びイに掲げるものを合綴したもの
ア 株式会社の設立に際して代表取締役となる者(設立時代表取締役)または代表執行役となる者(設立時代表執行役)が作成した、設立時発行株式について払い込みを受けたことの証明書
イ 発起人を代表する者1名または発起人の依頼を受けた設立時代表取締役(設立時代表執行役)が個人名義で開設した払込取扱期間の預金口座の通帳の写しまたは取引明細表その他の払込取扱機関が作成した書面

 

まとめ

実際ネット銀行の口座への払い込みでも設立の登記はできています。

ただし、全国すべての法務局の取り扱いは分からないので不安な方は事前に相談してください。