相続が起こると亡くなった方に関する財産関係は全て引き継がれると思っていませんか?

意外と相続財産にならないものもあります。

そこで、相続財産になるもの、ならないものをリスト形式でまとめてみました。

引き継ぐものが何かを理解して、相続手続きの参考にしてみて下さい。

 

相続財産になるもの

相続財産の基本的な考え方は、

全ての財産から、亡くなった人にのみ有効な権利義務と先祖を祭るための財産を除いたもの

になります。

具体例を見ると分かりやすいと思います。

 

□不動産と動産

不動産は、家や土地などをいいます。これはイメージしやすいと思います。

動産は不動産以外の財産のことをいいます。

例えば、現金、車、テレビ、時計などが動産になります。

不動産と動産の相続では、そのものについた権利まで引き継ぐことになります。

例えば、家をローンで購入した際につけた抵当権も消滅していなければ、抵当権付きに不動産を相続することになります。

 

□債権

債権とは人や会社に対する権利です。

最も身近なもので言えば、銀行預金や郵便貯金が債権に当たります。

私たちは銀行や郵便局にお金を貸してあげている状態で、ATMからお金を引き出す行為はお金を返してもらう権利(債権)を行使していることになります。

銀行預金や郵便貯金はお金そのものが相続財産のように思えますが、お金を返してもらう権利(債権)を相続することになります。

その他にも、投資信託、個人向け国債、社債なども債権にあたります。

 

□債務

債務は分かりやすい例でいえば、借金です。

相続においてはプラスの財産だけではなく、マイナスの財産を引き継ぐことにもなります。

相続する借金の方が多い場合には、相続開始を知った時から3ヶ月以内に相続放棄という手続きを取らなければ大変なことになるケースもあります。

お金以外にも、生前の売買のものの引渡しや、不動産登記の移転義務などを債務として相続します。

 

□株式その他の社員権

会社の社員としての地位が相続財産となることもあります。

株式会社では、株式が相続財産となります。

しかし、最近増えている合同会社等の持分会社の場合には、原則として相続の対象となりません。

会社のルールである定款に、社員たる地位が相続する旨の記載があるときに限り持分が相続財産となります。

また、社団法人の社員たる地位も同様です。

 

□契約当事者としての地位

例えば、売買契約の売主、買主としての地位や、賃貸借契約に基づく賃貸人又は賃借人としての地位も相続財産となります。

ただし、公営住宅の場合には、入居する権利自体が社会政策上の権利として亡くなった人にのみ属する権利と考えられているので、相続財産とはなりません。(最判平成2年10月18日)

ですので公営住宅の場合には、相続が起こったあと当然にそこに入居する権利が貰えるわけではないことに注意が必要です。

 

相続財産にならないもの

□生命保険金

生命保険の受取人が亡くなった人以外であった場合は、その死亡保険金は相続財産とはなりません。

ですので、生命保険を使って備えをしておくと面倒な相続手続きなしで家族が使えるお金を遺すことができます。

ただし、みなし相続財産として相続税の計算上は一定の金額加算されるので注意が必要です。

 

□亡くなったあとの預貯金の利息

預貯金については亡くなった日現在の残高が相続財産となるので、その後についた利息については相続財産に含まれません。

定期預金については、亡くなった日の残高と、その日に解約したとしたらもらえる利息の合計から利息にかかる税金を差引いた金額を合計しての計算になることに注意です。

 

□生活保護の受給権、国民年金、厚生年金、障害年金その他の年金受給権

その人に属する権利として生活保護や年金は基本的に相続されません。

生活保護の受給権に関しては、具体的な金額が確定していても相続の対象となりません。

年金に関しては、基本的に亡くなったあとに振り込まれたものに関しては返還する必要がありますが、まだ受け取っていない年金や、亡くなった日より後に振込みされた年金のうち、亡くなった月分までの年金については、生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。

また亡くなった方に一定の遺族がいる場合、遺族年金等を受け取ることができますので相続手続きにおいては少し複雑になります。

 

□親族間の扶養請求権、扶養義務

亡くなった方の親族に対する扶養をしてくれと主張する権利や扶養をしなければならない義務は相続の対象になりません。

こちらは強制力のある権利や義務ではないのであまり問題にならないかもしれません。

 

□特定の契約上の地位

以下のものは、相続の対象とはなりません。

  1. 定期贈与契約に基づく受贈者の地位
  2. 使用貸借契約に基づく借主の地位
  3. 雇用契約に基づく被用者の地位
  4. 委任契約に基づく受任者の地位
  5. 組合契約に基づく組合員の地位
  6. 終身定期金契約に基づく定期金受給者の地位
  7. 信託に基づく受託者の地位

2の使用貸借契約、つまり無料で借りているものに関しては相続の対象になりません。

家を無料で借りている場合には、相続人は無料で借りる権利を引き継ぐことはできません。

ただし、使用貸借が個人的な人間関係、信頼関係が借主の相続人にも承継されるような場合には、使用貸借契約の地位であっても相続の対象となることがあります。

例えば、借主が固定資産税などの税金を一切負担する代わりに無償使用している部分について、相続人が引き続き税金を負担する場合は相続が認められる場合があります。

 

まとめ

以上のように相続財産については細かく相続財産になるものとならないものの規定があります。

相続財産についてよくわからない、相続財産がどのくらいあるのか知りたい、相続手続きで何をしていいか分からないという方は

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